息子の嫁に財産をあげたい

先日、以下のようなご相談を受けました。

長年、息子(長男)の嫁は献身的に私の世話をしてくれました。息子は私(Ａ)より先に他界し、息子と嫁の間には子供がいませんでした。にもかかわらず、息子が亡くなった後も、息子の嫁は私(Ａ)と一緒に生活を共にしてくれ、長年私の面倒を見てくれました。私(Ａ)には妻がいましたが、妻も息子が亡くなった後に他界しているため、私(Ａ)が亡くなった後は、もう一人の息子(次男)に財産のすべてがいくことになります。私(Ａ)としては次男とは疎遠のため、長男の嫁にできる限りの財産をあげたいと考えております。こういう場合、いまのうちに私(Ａ)にできることはありますか？

【お答えした内容は・・・】

今のまま何もしなければ、息子(長男)のお嫁さんは財産を一銭も受け取ることができないですし、今現在一緒に暮らされてる家・土地はおそらくＡさん所有のご自宅だとおもいます。

Aさんが万が一のあとは、財産を一銭ももらえず、そこに住むことさできず、出て行かなくてはならない状態になります。なので、お早めに以下の内容を行ってください。

① 養子縁組手続きを行う

養子縁組をすれば、お嫁さんにも子としての相続権が発生するため、財産の２分の１を受け取る権利が発生します。

② 生前贈与をして今から財産を移動させる

生前に毎年１１０万円ずつ贈与するという方法があります。１１０万までであれば、非課税で受け取れますので、お嫁さんにも負担がかかりません。ただ、万が一が起こる３年前に行った生前贈与は相続財産に持ち戻しされますので、ご注意ください。毎年生前贈与されるのであれば、暦年贈与契約書を毎年作成しておいたほうがよいでしょう。

③ 公正証書遺言書の作成を行う

遺言書でお嫁さんに財産を遺贈する方法です。公正証書遺言書で残しておけば、不備なく遺言書を残しておけます。自筆証書遺言書は遺言書不備のリスクがありますので、やめておいた方がいいでしょう。

但し、全財産をお嫁さんに相続させるという旨は、次男に遺留分があるため、全財産の相続は難しいと思います。

どれか一つだけ方法しか選択できない訳ではありません。

例えば、養子縁組手続きを行い、毎年生前贈与も行う事も可能です。

今回の場合、お嫁さんに相続権が発生すると、次男が良く思わない事が考えられます。

次男が法的には争えないとわかった場合、お嫁さんに嫌がらせをしたりすることは考えられませんか？

次男とお嫁さんが争わないように、できる限りA様のお考えを何か書面で残すか、公正証書遺言書で残すかしておいた方がいいでしょう。

相続が発生する前に、「マネー相談ドットコム」へご相談ご予約下さい。

【WRITER：太田】